第37回海外研修終了

2018年度、第37回海外研修生の3名が、先日研修を終了し無事に帰国しました。

4月13日に日本を出発し、まずはアメリカシカゴにて10日間の合同研修を行いました。
イリノイ大学八巻准教授の下、シカゴ周辺の障害福祉サービス(以下、サービス)を行う事業所や関係機関の見学、アメリカやイリノイ州における障害者福祉に関する歴史やサービスについて講義を受けました。
今年は、見学先として初めて、医療的ケアが必要な子どもたちを病院から家庭へつなぐ中間施設を訪問しました。この施設では、ご家族に対して家庭で必要なケアの技術を伝え、専門スタッフの下でのトレーニング、更に医療に関する教育指導等も行い、ご家族が自信を持って家庭に子どもを連れて帰れるよう、充実したサポートを行っていました。特に、実際の家庭に近い環境下でトレーニングできるよう、施設は自宅を想定した造りの病室やリビングが用意されていたり、医療機器についても各々自宅で実際に使うものを導入している点は非常に特徴的でした。医療的ケアが必要な方々の地域生活への移行の際に重要な役割を担う施設であり、日本でもこのような施設ができると素晴らしいなと思いました。

個別の研修では、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアにて、研修生各々が研修テーマに基づき自身でアレンジした研修を行いました。様々な国や地域で障害者福祉に関わるサービスや制度、取り組みを学ぶ中で、各国の文化的背景や国民性が深く反映されて成り立っており、単純にサービスを知るのではなくその背景も意識されながら学びを深めている印象でした。

11月の帰国報告会では、37回生の方々が研修で得た成果や課題についても報告いただけるので楽しみです。

 

【掲載写真】
・1段目 医療的ケアが必要な子どもたちを病院から家庭へつなぐ中間施設での見学(自宅を想定して造られたリビングと病室)
・2段目
左側:イリノイ大学教授よりイリノイ州の児童福祉の概要や虐待介入から支援(障害児も含む)に関する講義
右側:イリノイ大学シカゴ校構内にある”社会福祉の母”といわれるJane Addams氏らが設立した当時世界最大規模のセツルメントハウスの見学(現在は博物館となっている)